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白血病骨髄移植後の無精子症の方から採取した精巣精子で無事出産となりました!

[2019.02.22]

競泳選手の池江璃花子さんが白血病を公表されました。治療法が進んだ現在、白血病は治る悪性疾患となっています。これからの治療を乗り切って完治して選手として復帰できますよう心よりお祈り申し上げます。そして白血病が治る時代となった今、新たに考えなければいけないのが患者さんの妊孕性のことです。これまで骨髄移植後は化学療法と放射線療法の副作用から男性では非可逆性の無精子症となり、ほぼ絶対不妊と考えられてきました。しかし12歳及び21歳の時に白血病を患い、骨髄移植を通して完治された無精子症の方々からmicro TESEで2例続けて運動精子が回収できて妊娠に至り、2017年の生殖医学会総会で発表いたしました。その後の追跡調査でその2カップルから双子を含む3人の赤ちゃんが無事誕生したことが判明しました。患者さんからも可愛い赤ちゃんのお写真を送っていただきました。骨髄移植後の無精子症の方から妊娠出産に至った報告は文献ベースでまだ世界的に無く、おそらく世界初の報告になるもの思われ、現在論文投稿準備中です。これまでほぼ絶対不妊と考えられていた方々にこうした成果が得られるに至った原動力は患者さんの思いでありそれに応えたいと願う医療者のチームワークです。患者さんの感謝の気持ちを糧に慢心することなくこれからの日々の診療を実践していきたいと思います。

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