4:子供さんのことで親御さんからよくあるご質問
Question①
おねしょが小学校に上がるのに無くなりません。大丈夫でしょうか?
Answer①
膀胱の成熟に伴い、必ず治りますので、ご心配ありません。しかし稀に膀胱機能の異常に伴い膀胱尿管逆流症(膀胱のおしっこが腎臓に逆流してしまう病気)が隠れていることがあります。この度改定された夜尿症診療ガイドラインでは5歳以上で1ヶ月に1回以上の夜尿が3ヶ月以上続く場合は夜尿症と定義されます。かつて使用されていたうつ病の薬は使われず、錠剤や点鼻で治療できるようになりました。
Question②
子供が急に頻尿になりました。何か原因があるのでしょうか?
Answer②
子供さんは多感な時期にあり、家庭や学校幼稚園でのちょっとした原因で頻尿になったりします。多くの場合はあまり心配せず様子を見ていて構いません。長引く場合や痛がったりするようでしたら受診をしてください。
Question③
おちんちんの先が赤く腫れて少し膿が出てようです。治療が必要ですか?
Answer③
亀頭包皮炎と思われます。抗生物質を飲んだほうがいいでしょう。炎症が強くなると痛みが出ますし、包皮と亀頭の癒着を起こすこともあります。普段おちんちんをいじる癖がある場合は叱らず、子供が興味を持ちそうな題材を与えてあげてください。かつては病院で包皮を無理やり剥いたりしてましたが、現在では行われておりません。
Question④
突然睾丸を痛がっています。原因はなんでしょうか?
Answer④
睾丸捻転の可能性があります。早急に受診して発症から6時間以内に整復して固定しないと梗塞を起こして摘出手術となります。残念ながら現実には精巣捻転を起こした後で大半のお子さんが摘出手術となっています。泌尿器科医師と麻酔科医師が常勤でいる救急施設に最初から受診しないと結果として間に合いません。稀に睾丸垂捻転という睾丸が梗塞にならない捻転がありますが、痛みは同程度あり、また見た目も区別がつかないのでやはり専門医の診断が必要です。精巣捻転で治療が遅れると大人になってから不妊症となることがあります。
Question⑤
陰嚢の片側が膨れています。様子を見ていて大丈夫でしょうか?
Answer⑤
原因として精索静脈瘤、陰嚢水腫、鼠径ヘルニア(脱腸)、精巣腫瘍などがあります。精索静脈瘤の場合は痛みを伴うことがあります。また睾丸の発育が遅れることがあります。睾丸の発育に左右差があったり、痛みを伴う場合は手術適応です。手術は睾丸の動脈血流を犠牲にしない顕微鏡下低位結紮術が睾丸の成長の観点から強く推奨されます。陰嚢水腫は大人と違ってほとんどが自然消退しますので、様子を見ていて構いません。精巣腫瘍の発生頻度は乳児期に最初のピークがあり、青壮年期に次のピークがあります。幼稚園から学童期までの精巣腫瘍のほとんどが良性腫瘍で、多くの場合、精巣を温存して腫瘍のみ摘出する手術で大丈夫です。いずれ専門医による診断が必要です。