今年も昨年に引き続きFNA Mappingで救済されたmicro TESE反復不成功の方が妊娠されました!
[2024.02.15]
非閉塞性無精子症の中で最も重症とされるセルトリオンリーの方に他院で両側精巣に対してmicro TESEを反復して行われるも不成功でしたが、昨年当院でFNA Mappingを行った結果、精子形成部位を特定でき、片方の精巣の小切開のみで運動精子を10本凍結できました。最初の1本の凍結精子融解での顕微授精の結果、初回の胚盤胞移植で妊娠されました。micro TESEが保険適応となり、導入する医療機関が増えてきてますが、一昨年から日本受精着床学会、日本生殖医学会総会でFNA Mappingの講演を繰り返してますので、micro TESEを執刀する医師には術前にFNA Mappingについて患者さんが選択できるよう提示する義務が生じている段階にきていると思われます。患者さんから指摘されてからいわば渋々やむなく紹介してくるというのはどうかと思います。現在無精子症診療のガイドラインを日本泌尿器科学会で作成中で、意見を述べておりますが、ガイドライン作成に直接関わっている大学教授あるいは専門医が無精子症の治療経験に乏しいようでは内容に偏りが生じてしまいます。したがって孤高のメスをこの先もまだまだ取らなくていけないようです。