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micro TESEの極意は仙台市青葉区本町2丁目にあり

[2016.10.17]

9月1日開院と同時に開始した顕微鏡手術ですが、皆様のご協力をいただき、これまで1日たりとも空白にすることなく、年内の手術枠は全て埋まりました。受付、看護師、医師が三位一体となったチームワークは各々のモーチベーションを高め、手術待機期間を短縮するため、職員全員の雇用契約書を大幅に改定し、祝日の手術にも対応できるようにいたしました。当院は不妊治療専門看護師、泌尿器科手術専任看護師を始めとして全ての業務において優秀な人材に恵まれており、当院のチームワークの到達度とパフォーマンスは小さい診療所ながら、世界的名声を得ている医療施設のそれらと変わらないことでしょう。

当院で実施している顕微鏡手術の主要な術式のひとつが顕微鏡下精巣精子採取術です。宮城県仙台市青葉区本町の県庁に隣接する立地で、東北地方のみならず、北海道、関東地方、さらには関西や九州沖縄からも受診や問い合わせをいただいております。micro TESE実績数1000例到達を目前に控え、クラインフェルター症候群、FSH異常高値の非閉塞性無精子症など極めてシビアな症例に至っても精子回収に連続して成功しており、精子回収率は個人の実績値としては過去最高に達しています。

その理由の一つがTESE実績の豊富な培養士の起用です。大きな病院で自分の執刀医を選ぶことができないのと同じで、治療周期数の多い生殖医療施設では当日担当する培養士の指定はできません。患者さんには接する機会に乏しい培養士であるだけに、術者のみならず培養士の力量がmicro TESEの結果を左右しうることについては患者さん方々には知られていないのではないかと思います。

しかし皆で頑張っても精子が見つけられないこともあります。いつの日か全ての患者さんが精子回収できる、そして子どもが授かるような時代が来ることを願って止みません。先日栃木県が企画した妊活イベントで放送作家の鈴木おさむ氏と対談をした際、不妊治療は当事者になるまで他人事だったと鈴木氏がおっしゃっていたのが印象的でした。つまり当事者以外が当事者のことを理解しようとしても当人の心情は半分も理解できないというのです。

現在の行政や企業の不妊治療特に男性不妊に対する助成や援助が不十分で的外れであることは不妊に無縁の一般の方々が不妊治療の大変さを理解できていないことに共通しています。その点、男性不妊治療に注目して啓蒙活動を企画している栃木県の行政は日本で最も先進的と言えるかもしれません。男性不妊治療によってより自然な妊娠をより早く達成することが可能となり、医療コスト削減が可能となります。今後仙台市や宮城県にも男性不妊診療の後押しをしていただけるよう日々の診療を頑張っていきます。

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