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FNA Mappingとは?

FNA Mappingとmicrodissection TESEの特徴とは?

図1

図1

 

 FNA Mappingは精巣内の精子の有無および存在部位につき精巣を切開することなく明らかとする術式で、米国の泌尿器科医師Paul Turek医師により1997年に発表されました。Turek医師は米国名門エール大学及びスタンフォード大学医学部の卒業生で、米国カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校泌尿器科学講座の主任教授、米国アンドロロジー学会会長を歴任された、米国を代表する著名な泌尿器科医師です。現在はサンフランシスコフィッシャーマンズワーフにプライベートクリニックであるThe Turek Clinicを開設され、男性不妊を専門に診療されています。

 一方現在本邦で広く実施されているmicrodissection TESEは精巣を切開して手術用顕微鏡を用いて精巣内の精子を広く検証する術式で、ニューヨークのコーネル大学の泌尿器科教授Peter Schlegel医師により1999年に発表されました。Microdissection TESEは精子形成部位が切開ラインに近い場合は精子をダイレクトに採取でき、すぐに顕微授精に使用できるメリットがあるものの、精子形成部位が存在しない半数以上のケースで両側精巣を切開しなければならず、しかも見落としを少なくするためには切開ラインから離れた深い部位まで組織を採取しながら掘っていかなくてはならず、精巣へのダメージが大きくなって男性ホルモンが低下して回復しなくなる後遺症が昨今問題視されるようになりました。また精子を作っている場所が切開ラインから遠い深い部位だとmicrodissection TESEを実施しても精子の見逃しになる率が約30%になることが2018年国際的な論文に発表され注目されるに至りました。

  microdissection TESEでは精巣を横切開か縦切開する方法がありますが、どちらの切開ラインでも精巣全体をくまなく検索することは不可能です。図1にmicrodissection TESEの横切開のシェーマが描かれていますが、精巣の上極(頭側)と下極(脚側)はほとんど検索できず、 無理に検索しようとすれば精巣へのダメージはより深刻になります。同様に縦切開では精巣の外側と内側はほとんど検索できず、 無理に検索しようとすればやはり精巣へのダメージはより深刻になります。

例えばAさんのケースではmicrodissection TESEで精巣を縦切開あるいは横切開しても精子が見逃しになる危険性がありますが、FNA Mappingを行えば精子の存在部位を切開前に明らかにすることができます(図2①〜④)。

図2-1

図2-1

図2-2

図2-2

図2-3

図2-3

図2-4

図2-4

   Bさんの場合はmicrodissection TESEで精巣を縦切開したら少数精子を確認できる可能性があるものの、横切開をしていたら精子は見逃してしまう危険性があります。しかしFNA Mappingを行えば精子の存在部位を切開前に明らかにすることができます(図3①〜④)。

図3-1

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図3-2

図3-2

図3-3

図3-3

図3-4

図3-4

そしてAさんでもBさんでもFNA Mappingをあらかじめ行うことによりその精子の存在部位に合わせた小切開のもとでmicrodissection TESEを実施することにより、より低侵襲でかつより高い確率で十分量の精子を回収できるようになります(図4)。

図4

図4

 片方の精巣でしか精子が存在しない方は精子の存在しない側の精巣は切開しなくて済み、両側精巣共に精子の存在しない無精子症の半数以上の方は精巣を切開しなくて済み、男性ホルモン低下による後遺症が発生して術後苦しむリスクは軽減します。さらに精子存在部位があらかじめ判れば、その部位に限って切開することにより精巣へのダメージをより少なくするのと同時に精子存在の見落としを極力少なくすることができます。このようにmicrodissection TESEと異なりFNA Mappingでは採血で用いる針より細い針を用いて精巣全体からくまなくサンプリングを行うことができるため、精巣にダメージをほとんど与えずに精子の有無と場所を検証することができます。

 FNA Mappingをmicrodissection TESEに先立って行うことにより、

1)精巣へのダメージと男性更年期障害などの後遺症を少なくできる

2)精子の見落としを極力少なくできる

などのメリットがあり、無駄なmicrodissection TESEを無精子症の半数以上の方々が回避できることにより医療費削減効果があるとされております。

 

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