ペロニー病
ペロニー病
フランス人のPeyronieが1743年に最初に報告した病気です。陰茎硬化症や形成性陰茎硬化症と呼ぶこともあります。
ペロニー病は、陰茎海綿体白膜にしこりができる良性の病気であり、勃起時の痛み、しこりの触知、陰茎弯曲、陰茎短縮、勃起障害などになり性交障害の原因となります。
ペロニー病の発生頻度
年齢別発生頻度は、30歳代1.5%、40歳代3.0%、50歳代3.0%、60歳代4.0%、70歳以上6.5%と中高年になるほど頻度の高い病気です。
症状としては、陰茎弯曲84%、勃起時の痛み46%、勃起障害40.8%が認められます。
ペロニー病の診断
発症の時期、しこりや痛みの有無、勃起硬度と勃起時陰茎弯曲の程度、性交障害の有無などを問診します。
勃起時のポラロイド写真や携帯電話やデジタルカメラの写真を持参いただけると診断がつきやすいです。来院いただいたら診察でしこり部位を確認し、しこりの大きさを計測します。超音波検査やMRIでしこりの厚さや大きさを観察でき、しばしば石灰化が確認できます。
ペロニー病の治療
まず症状が安定するまで薬剤治療を行います。使用薬剤としてビタミンEとトラニラスト(ケロイドや肥厚性瘢痕の治療薬)を処方します。
内服治療で軽快しない場合はしこりにベラパミルというカルシウム拮抗剤を局所注射します。局所注射を数週間おきに繰り返します。局所注射にはいくつか種類がありますが、ベラパミルの注射が日本人では効果が得られやすいように思われます。
多くのケースではここまでで軽快しますが、軽快なく生活に支障が出ている場合は手術を検討します。手術法には縫縮法(プリケーション法)と移植法(真皮や静脈移植)があり、各々一長一短があります。手術が必要と判断された際は専門医療施設をご紹介いたします。