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頻回の射精は不妊治療のみならず前立腺癌予防にも有効!?

中年の時に月7回以下と21回以上の射精回数の男性では、その後の前立腺癌の発症リスクが後者で半分になるという研究結果が2004年に論文発表されていました。そしてさらに男性51529人の18年間の追跡調査結果が発表され、射精回数が多いと低リスクの前立腺癌、前立腺に限局した癌の発症リスクが低かったという結果が発表されました。ただし悪性度の高い前立腺癌は射精が頻回でも低下していなかった上に、射精回数が多いと前立腺癌以外の疾患で死亡するリスクが若干上昇するといった結果も出てました。

不妊治療であるタイミング法や人工授精で禁欲期間を不要に長くしている方をよくお見受けしますが、実は禁欲期間を長くするのは妊娠成立には逆効果です。男性では精子は造られた順番に精巣上体管という長い一本道の貯蔵庫にあって、あんまり禁欲期間を長くすると弱った精子のみ出てきてしまいかねません。妊娠を成立させるには排卵直前にフレッシュで元気な精子のリリースが大事です。

さて、なぜ禁欲期間が長くなると前立腺癌のリスクが高くなるかはよくわかっておりません。前立腺内の老廃物の蓄積や慢性の炎症と活性酸素による遺伝子損傷などが考えられるかもしれません。慢性の炎症と発がんリスクの関連の可能性の例はピロリ菌と胃癌、肝炎と肝癌などで指摘されています。

しかし頻回の射精を不妊治療では生活指導として勧めることはありますが、前立腺癌の予防のためでは現実味に乏しく、むしろ脂肪の多い食事を控えるなどといった指導の方が重要と思われます。

 

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