当院で男性不妊に対するEssential Beginning XYの使用を開始します。
米国男性不妊専門医Dr. Paul Turekが男性不妊カップルのために研究開発されたEssential Beginning XYの使用をThe Turek Clinic(www.theturekclinic.com)と厚生労働省の認可を得て当院で開始いたします。Essential Beginning XY については現在NIH(米国国立衛生研究所)が主幹として米国主要大学医学部によるランダム化比較試験がコホート研究として行われており、妊娠率上昇のみならず流産率低下をもたらすことが期待されています。妊娠前のカルシウム摂取、鉄摂取、葉酸摂取が母子の健康に有益で、神経管欠損など新生児奇形を減らすのに重要であるとするエビデンスは既に得られておりますが、これまで男性側のデータは存在しませんでした。しかし顕微授精が普及した現在、精子のDNA損傷が高い状態で受精することにより、妊娠率低下や流産率上昇、児の先天奇形や障害の発症率上昇にも関与しうることが様々なデータから示唆されています。
またこれまでに男性不妊の多くは酸化ストレスに起因していることが示されています。そして抗酸化療法は酸化ストレスから精子DNAを保護するのに有用であり、一方で不妊男性の多くの食生活は酸化ストレスに対して脆弱になっていることも知られています。長年の習慣の改善は一朝一夕には難しく、こうした抗酸化療法を併用しつつ、生活指導をしながら生活習慣の是正をしていくことになります。
The Turek Clinicでは精索静脈瘤に対する低位結紮術、生活指導と抗酸化療法の組み合わせにより、65%のカップルで自然妊娠を達成し、人工授精と体外受精を併用すれば81%のカップルで妊娠に至ったと国際学会で報告されています。Essential Beginning XYは米国で特許申請中となっており、組成の詳細は一般にはディスクローズされておりませんが、材料の全てがオーガニックであり、有害事象や副作用はこれまでに報告されておりません。米国ではサプリメントとして扱われておりますが、本邦では薬事法により薬物となるため、診察による処方が必要となります(健康保険適応はありません)。詳しくは当院を受診の上ご相談ください。